
医局が嫌になる原因は、やりたいことができずに働かされているという苛立ち、いくら仕事をしても浮かばれないという虚無感でしょう。
ここを上手く切り抜けないことには、将来の医局退局の意向を払拭できません。
医師人生は一度きりです。
いまの自分の適性を冷静に見つめ直し、ときに環境を変えていくことを恐れてはいけません。
せっかく人の命を救う資格を手に入れたのだから、自分のやりたい事に全力でやりがいを持って働きましょう!
目次
医局を辞めたくなる理由
- 医局人事により数年単位で突然の異動が繰り返されるのがキツイ。
- 医局人事で自分の希望が通りづらい。
- 拘束時間の割に大学の給料が少なく、バイトだけでは生活が苦しい。
- 新型コロナの影響でバイトを禁止されて大学だけの給与では生きていけない。
- 医局を辞めた医師が、好条件で自分よりはるかに高い報酬を得ていることを聞いた。
- 大学病院の理不尽な体制に疲れた。
- 医局の他の先生との相性が合わなかった。
医局を辞める理由で多いのが人間関係とお金の問題だと思います。
上記の辞めたくなる理由に多くあてはまるのであれば、医局を辞めるタイミングとして「そろそろかな」といえる状況にあるのかもしれません。
一度今後の人生について考えるキッカケだと思って自分と向き合ってみてはいかがでしょうか?
医局を辞める時のポイント
早目に教授に伝える
教授に退局を伝えるタイミングは早い方が良いといえます。
早く伝えておくことで、退局後の医局人事の調整もつきやすくなります。
いきなり「1か月後に辞めます」となると、医局での人事の調整もつきにくくなるため、必死に引き留められる可能性も高くなりますし冷たい目で見られる可能性も高くなり辞めるまでの期間ストレスだらけになってしまいます。
医師は辞めるにあたって人員の補充が必要だったり、引き継ぎが必要だったりする仕事なので、そこは他の医師や患者を思いやる気持ちを出しましょう。
退職理由は「個人的な理由」
辞める本当の理由が仮に、医局の人事システムや現在の勤務先に対する不満であったとしても、退局理由を聞かれた時、それをそのままストレートに言うのはおすすめしません。
どうしても感情的な対立をひき起こし、その対立を後々までひきずりがちです。
辞めるのは、組織や人への不満からではなく、あくまで個人的な理由であることを、一貫して主張しましょう。
引き留めに負けない
対局を申し出ると、上司は、いろんな引き留め策を用意して引き留めようとします。
たとえば、「医局で人気の高い○○病院に出してやろう」とか、「海外留学させてやろう」とか・・・。
一見魅力的に思える提案であっても、それを鵜呑みにして辞意を翻してはなりません。
残ったあと、本当に実行されるかどうかわかりませんし、「一度辞めると言った医者」という目でずっと見られ、居づらくなることは間違いないからです。
医局に属するメリット
学位の取得
平成28年度の初期研修医への調査でも、全体の約4割の医師が医学博士を希望しているという結果が出ています。
医局に入ることで得られるものの一つとして、医学博士号があります。学位授与は教授でないとできないため、これまで医局の求心力を保つ手段としても機能してきた経緯があります。
好条件のアルバイト
医局に所属していることで、一般に募集されている条件よりも割の良いアルバイト先を紹介してもらえることもあります。
大きな医局の場合は、定期非常勤バイトに関してかなり厳選している場合も多く、全体的にある程度質が保たれる場合があります。
また、上級医は特別に自分で交渉したようなワリの良いバイトを持っていたりして、その日に都合が悪かったりすると、こちらに運よく回ってくる場合もあります。
経験値が上がる
大学病院では中小病院にはなかなかないような最新設備や、一般病院では遭遇しないような希少な症例なども集まるため、そのような意味でも得られる経験は多く、専門性の高い医療に触れることができます。
専門性の高い医療や研究を行いたい人は医局で経験値を上げましょう。
人脈が広がる
上級医からの指導を得られたり、医局のネットワークを使い最新の情報や海外の情報を得たり、将来につながる人脈を得られたりすることもあります。
医師同士の人脈を広げておけば、将来引き抜きに合ったり連携などメリットだらけのお金には代えられない価値を手に入れることが出来ます。
医局に属するデメリット
肉体的・精神的にきつい
大学病院での勤務負担に不満を抱く医師も多いです。大学では通常の診療業務に加え、研究や論文執筆、その他診療外の業務も重なります。
業務自体も大病院ならではの煩雑さや雑用などが多くあり、休日や仕事終わりの時間が奪われてしまうことも少なくありません。
給料も高くないのでバイトで生計を立てる必要があり肉体的にも精神的にもきつくなってしまいます。
勤務地異動
自分の希望に反する人事や、数年単位での突然の異動を繰り返すことを負担と感じる医師が多くなっています。
これは医局を辞めたいと考える医師が感じている不満として、最も多いのが人事への不満です。
各関連病院の医療レベルの調整などいろいろな理由がありますが、先が見通せない医局人事から離れて、落ち着きたいというケースも多いようです。
人間関係
組織に所属して働き続けるということには、人間関係問題が必ず付き纏います。
大学病院のような大きな組織になると、呼吸器外科と内科や癌の外科的治療と化学療法問題のように部門間の隔たりが大きくなり、業務の連携が上手くできないということもあります。
このような医局内での人間関係に疲れたり、しがらみが合わなかったりしたことが理由で退局する医師も多くいます。
低い給料
正規雇用でコツコツ働くより、フリーターのほうが稼げる。都心より田舎のほうがずっと給与が高い――。
普通では考えられないことが、当たり前の業界がある。医師の世界だ。
大学病院勤務になっている場合は給与が平均的に低くなります。
そのため基本的には外勤に金銭的な面を頼りながら生活していくということになります。
待遇に関しても中堅と呼ばれるようになるまでは自由はほとんどないですし、中堅になると今度は使い勝手の良い駒としての活躍を期待されます。
家族環境などライフステージが変化して収入をある程度確保しなければならないというタイミングでは、現状への不満が大きくなります
おすすめの医師転職サイト
民間医局
・女性医師の成約数がずば抜けて多い
・スポットバイトの求人も取り扱っている
・同じエージェントがずっと担当してくれる
医師賠償責任保険も提供している点もオススメポイント!
医師向けのセミナーを開催するなど転職以外のサービスも展開している転職サイトです。
民間医局のメリット
- 顔見知りのエージェントが対応
- 女性医師の成約が多い
- スポットバイトの求人も豊富
顔見知りのエージェントが対応
民間医局のエージェントは必ず一度先生に会ってからご希望を伺ってくれます。
少し面倒のように思う先生もいるかもしれませんが、顔見知りのエージェントのほうがいろいろと頼みやすいと評判なんです。
先生からの変更希望、もしくは会社内での異動がない限り、ずっと一人の担当が対応してくれるので、信頼できる人に相談や交渉の手伝いをしてもらうのは凄く嬉しい&ありがたいですね。
女性医師の成約数が多い
妊娠・出産や育児を経て、再び医師として復帰したいと考える女性も多くいると思いますが、今現在、日本では女性医師がまだまだ働きにくい環境が問題視されています。
民間医局はそんな女性医師に親身に寄り添い、日数・時短勤務から社会保険の適用まで、労働条件を整えることで多くの問題を解決しているんです!
実績として、女性医師の成約件数は全成約数の20%を占めています。
スポットバイトの求人も豊富
便利にスポットバイトができるのもメリットの1つです。
医学生や研修医、本格的な復職がまだ難しい女性医師であっても、民間医局に履歴書を登録していれば、それだけで気になるスポットバイトの応募ができるんです!
難しいやり取りは一切ありません。
契約手続きもメールで完了するので非常にありがたいですね。
スポットバイトをして今より収入を上げたい人は登録必須です。
民間医局のデメリット
- 受付時間が短い
- 場所によっては求人が少ない
- ほとんどが非公開求人
受付時間が短い
民間医局の電話受付時間は9時~18時(平日)となっております。
!?
平日のみ!?
普段忙しいドクターからは「電話が出来ない」「受付時間が短い」という口コミも見受けられます。
急ぎの用事がある場合は時間を見つけて電話をするか、メールでやり取りを行うしかないので、日中忙しいドクターは注意が必要です。
場所によっては求人が少ない
東京・千葉・大宮・横浜・札幌・仙台・高崎・金沢・名古屋・京都・大阪・神戸・広島・高松・福岡・熊本・那覇の17か所に拠点がありますが。
大都市に比べ地方は求人が少ないのがデメリットとして挙げられます。
ただ、このデメリットに関しては皆さん共通認識なのではないでしょうか?
少ない中で、良い求人をエージェントの方が紹介してくれるので当たりは多い可能性も高くなります。
ほとんどが非公開求人
民間医局が保有している求人の約80%が非公開求人となっています。
非公開求人は会員登録しなければ紹介してもらえないので、まずは会員になる必要があります。
公開案件は数が少なく、非公開求人の方が優良案件ですから気になったら早めに無料登録しましょう。
現在はコロナウイルスの影響でスポットバイトの需要が高まっています。
少しでも気になったら早目に登録しないと人気のスポットバイト求人や好条件求人がどんどん無くなっていきます。
JMC
・適正年収を診断してくれるので転職の基準になる
・業界経験豊富なエージェントが対応してくれる
・他社にはないユニークな求人が探せる
転職を考えている勤務医の先生には、希望に合った求人がすぐに見つからない場合でも独自のネットワークにより、粘り強く探し出して希望に添った勤務先を紹介してくれます。
JMCのメリット
- 非公開求人が多い
- 適正年収を診断
- ベテランエージェントが対応
非公開求人が多い
JMCは医師に特化した転職サイトです。
『JMC』が抱える求人の8割が非公開求人ということもあり、医師に人気がある求人を狙って開拓しているのが特徴です。
他では手に入れられない優良案件と出会えるチャンスもありますが、そのような求人は回転が早いため、獲得してもすぐに無くなります。
事前に登録しているドクター方に優先的に情報を配信しているので、早めの登録をオススメします。
適正年収を診断してくれる
皆さんは自分の適正年収をご存知ですか?
JMCはドクターの経験と、数千件の求人データを元に、ドクターの適正年収調べてくれます。
そのうえで、あなたの希望する条件の求人を紹介してくれるので、満足すること間違いなし!
データ以上の年収アップ交渉も得意としているので、収入を上げたい医師はエージェントに相談すれば医療機関と交渉してくれます。
今より年収が上がるのは最高に嬉しいですよね!
ベテランエージェントが対応
JMCのエージェントは業界経験豊富なベテラン揃いなのが特徴です。
医療機関とのコネクションも強く、求人票からは得ることができない医療機関固有の情報も持っているんです。
登録後は、エージェントが転職に関するヒアリングを行います。
希望や状況、今後のキャリア、転職に関する不安など何でも相談しちゃいましょう!
現状を整理し、キャリアプランの方向性を決めていくことで、自分を改めて見つめなおすことが出来ます。その結果、効率よく転職活動を進めていくことが可能となります。
JMCのデメリット
- 地方求人は少な目
- 実務経験が無いと厳しい
地方の求人は少ない
JMCの拠点は東京と名古屋の2か所しかないので、地方の求人は他の転職サイトに比べて少ない印象です。
都心の求人なら他のサイトより多く、8割が高収入求人等の非公開求人なので満足できる転職は間違いなくできますが、地方で転職しようと考えている医師は他の転職サイトの登録をオススメします。
実務経験が無いと厳しい
ほとんどの医療機関は即戦力を求めているので、実務経験が殆ど無い医師は転職も難しくなります。
産休や育休などブランクがあるだけなら、求人を紹介してもらえますが、実務経験がまったく無いと、紹介できる求人がほとんど無くなってしまいます。
ある程度経験を積んでから登録するか、直ぐにでも転職したい場合は他の転職サイトに登録するようにしましょう!
MedPeer
・医師の3人に1人が参加する医師専門SNSサイト【MedPeer】が運営する求人サイト。
・大手の転職・アルバイトサイトの求人情報をまとめて掲載しており、6万件以上の求人情報をまとめて検索・応募が可能。(常勤約6万件、非常勤 約2万件)
”お探しの求人が必ず見つかる”サイトになっています!
MedPeerキャリアのメリット
- キャリアを活かした転職が可能
- 一括エントリーサービスが魅力的
- 求人が探しやすい
キャリアを活かした転職が可能
MedPeerキャリアは専門性の高い医師の要望にも応えることが出来る求人を多く取り扱っています。
勤務形態も職種も診療科目もかなりの範囲を網羅しているので、各種病院だけでなくクリニックや企業からの求人も見つけ出すことができます。
十分なキャリアを持ったベテラン医師でも妥協せずに転職先を見つけることが可能なので妥協したくない医師は登録必須です。
一括エントリーサービスが魅力的
一括エントリーサービスによって、提携している転職サイトに一括して登録してキャリアコンサルティングからのサポートを受けられるようになります。
自分で登録先のサイトを選ぶことができるので、勝手に自分の興味のないサイトに登録させられてしまうということはないので安心ですね。
求人が探しやすい
MedPeerキャリアは求人情報を提供するコミュニティサイトなので、求人の探しやすさが魅力的です。
常勤求人、産業医として非常勤で働くための求人、週4日で働ける常勤求人などのように細かなこだわりに応えられる求人を簡単に検索することができます。
細かな条件で求人が探せるので、今よりも年収を上げる事が実現しやすくなるんです。
MedPeerキャリアのデメリット
- 求人の情報量が少ない
- 一括エントリーサービスがデメリットに感じる事もある
求人の情報量が少ない
公開されている求人について記載されている情報が少な目なのがネックな部分になります。
給与や募集科目、勤務時間や勤務日についての情報はありますが、勤務先もあまり明確になっていないものが大半になっています。
特に福利厚生などの待遇面に関しては詳しく確認することができないので自分で確認の問い合わせをしないといけないので、そこがめんどくさいと感じる方も一定数いると思われます。
一括エントリーサービスがデメリットに感じる事もある
メリットでも紹介した一括エントリーサービスですが、複数のエージェントに一括で登録できる点は嬉しいメリットでもありますが、複数のコンサルタントから求人案内や連絡が届くため、日中忙しい医師からしたら対応に追われて逆にデメリットに感じる事もあるかもしれません。
まとめ:退局に迷ったら。。。
結局退局で大切なのは、現状を変えたいのであれば、なんでも良いからまず一歩踏み出すということではないかと思います。
実際に転職するかどうか迷っている人は、とりあえず自分の勤務先以外の病院を見てみるという意味で、医師転職サイトの求人を見ているだけでも、「こんな仕事があるのか.....」と感じることも多々あります。
やりがいのある仕事をしたい、自分の専門分野を活かしたい、スキル・知識を身に付けたい、研究もしたい、こういう人達と一緒に働きたい、病院はできるだけ綺麗で立地の良いところが良いなど将来の希望は沢山あると思います。
医局は医師にとって大きい存在だからこそ、今後どうなりたいのかをゆっくりと考え、慎重に情報収集して検討し、自分にとって納得いくまで答えを探してみてはいかがでしょうか。
遅いなんてことはありません。
思い立ったが吉日です。
せっかく人の命を救う資格を手に入れたのだから、自分のやりたい事に全力でやりがいを持って働きましょう!